本年締めくくりのTech Trend セミナーは、Big5からFacebook社のEmotion Tech(感情テクノロジー)をテーマに同社の最新のパテントから感情テクノロジー関連、そして同社の最大のライバルで何回となく買収を仕掛けたが、今年1月にNYSEに上場し、脱メッセージ、プラス画像、カメラ企業への転身を標榜しているSnap社のテクノロジーとサービスについて両社のパテントをベースに解説します。
河野 英仁(こうの ひでと)
弁理士 河野特許事務所所長
1998年立命館大学大学院理工学研究科情報システム学博士前期課程修了。1999年弁理士登録。2005年Franklin Pierce Law Center (米国New Hampshire州)知的財産権法修士修了。 2007年特定侵害訴訟代理人登録、清華大学法学院(北京)留学。中国知的財産権法夏期講習修了。 現在は、中国知財権利化に関するコンサルティング(発明特許・実用新案特許・ 意匠特許・商標登録出願、著作権登録など)および「中国知財紛争 に関するコンサルティング」(模造品対策、民事訴訟、行政訴訟、無効宣告請求、侵害鑑 定など) に注力。2016年 マサチューセッツ工科大学 Fintechコース修了。
【対象サービス(パテント)の概要】
【テキストメッセージに感情情報を付加するシステム、方法およびデバイス】
ユーザのタイピング速度から感情を推測し、返答メッセージのフォーム(フォント、サイズ、スペースなど)をリアルタイムで変更する
【感情の検知とコンテンツ配信の技術】
スマホやラップトップから取得したユーザの表情をトラッキングして ユーザが見ている様々なコンテンツに対する感情的な反応をモニターする。
【表示された顔の特徴イメージを分析して絵文字を動的にジェネレートするシステムと方法】
利用者の表情から感情を推測し、最も適切な絵文字を割り当てる。図のように推測された絵文字候補が表示され選択した絵文字が送信メッセージに付加される。
【ビデオ会議における参加者(顧客など)の感情認識】
顧客などが参加するビデオ会議における参加者の感情認識に関する方法とシステム
【関心事を共有する人からのメッセージギャラリー】
ライブストーリーと呼ぶイベント関連ギャラリーのキュレーション自動化。従来のメディアが行ってきたキュレーションプロセスをIPで自動化化する。
例えば、イメージやビデオの解析ではオブジェクト、フェイシャル、オーディオなどの認識など
【フォトフィルターベースのオブジェクト認識】
広告関連の例:ブランド(図ではCoffee Brand B)はSnapに対して関連するオブジェクトが検出された時に有効になるそのブランドに結びついたフィルターの利用料を支払う。
【位置情報ベースの絵文字表示】
ユーザの居場所に応じてメッセージに絵文字(近隣の立寄り場所など)を重ねて表示する。 地理的表示に基づいて識別された絵文字を含むユーザインタフェースの例
注)この内容は、変更になることがあります。